明鏡

【函館市のいいところ】独自性育む懐が深い街

2017.02.27

 私の生まれ故郷は鹿児島市だが、大学時代2年半を函館で過ごし、非常に好きな場所の一つである。函館市と鹿児島市は何かと共通点が多く、それがまた私を安心させる要素なのかもしれない。具体的には、地元民に郷土愛があること。北海道という土地にありながら、独自の文化・歴史を備えている。北海道弁とは違った方言(函館弁)が存在するし、食もバラエティーに富んでいる。
 ◇よく通った「ラッキーピエロ」というハンバーガーチェーンも、函館近郊でしか食べられないB級グルメ。味はもちろんのこと、お客さんをもてなす接客方法や店のデザインの趣向が凝っていて、テーマパークに来ているかのような感覚になる。また、函館市はかつて北洋漁業の基地として栄えた街だ。サケ・マスの母船団が入港した時などは街に人があふれかえり、札束が飛び交っていた-と、当時からある酒場でバーテンダーのアルバイトをした時に、常連客から聞けたのも興味深かった。
 ◇現在の函館にはかつての繁栄の面影はないが、この少し寂しい雰囲気に人々は引き寄せられ、訪れるのかもしれない。そう、函館は懐が深い街なのだ。
 (東京都・吉原啓太)

(東奥日報社)