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八戸港を見守る食堂の、八戸めし。

2017.04.24

国内最大規模の朝市で有名な八戸港・館鼻岸壁の、道を挟んですぐ向かいに「食事処 和こ」はあります。店主の加賀光子さんが、2008年2月に始めたお店。加賀さん自ら、陸奥湊朝市などに毎日仕入れに行き、新鮮な魚や旬の食材などにこだわった手作り料理を出しています。

営業開始は朝6:30。この時間帯の一番人気は「朝定食」(450円、6:30~9:30提供、日替わりおかず・ご飯・みそ汁・漬物)で、仲買人や陸奥湊に仕入れにきた人などでにぎわいます。

朝ごはんラッシュが終わると、今度はお弁当作り。取材に訪れたころは、八戸港に入港しているイカ釣り漁船のために、連日80~100食ほどを準備していたほか、近隣の企業や施設などにも配達していました。

県内随一の港町にあって、港とともに生きる食堂です。自慢はやっぱりお魚のメニュー。「赤魚焼と刺身定食」(1,100円)、「さばみそ煮と刺身定食」(1,000円)、「なめた煮付と刺身定食」(1,100円)など、10種類近くあるお薦めメニューの中から「銀たら焼と刺身定食」をいただくことにしましょう。

【h】Wako①まずはおみそ汁から。のりの風味がすがすがしく、思わず「はぁ~♪」と声が出ました。脂ののった銀たら! 箸が身に吸い込まれるようにするーっと入っていきます。口の中にふわぁっと広がる脂の甘み。塩加減もほどよく、パクパク食べ進んでしまいます。刺し身がまた豪華で。厚みが1㌢以上ありそうなマグロに、ホタテ、ハマチ、サンマ。どれも新鮮でぷりっぷり!

小鉢の一つは季節を感じる菜の花と人参の炒め煮。もう一つは切り干し大根とヒジキの煮物で、だしがじんわりしみこんで、あぁこれ、単身赴任のサラリーマンとかが涙流すタイプのやつだ… ワタクシも思わず「ん~」と目を閉じて、ウンウンうなずいてしまったし。

「なるべく手作りで、家庭の味を出したくて。だから、大根おろしも手ですって」と加賀さん。いやほんと、母の味ですよ。最近のひそかな人気は、厚焼き玉子なんですって。「厚焼きたまご焼きと刺身定食」がある日は、注文が集中するんだそうです。食後のコーヒーを飲みながら、窓の外を眺めると、すぐそこに八戸港。昼下がり、海面はベタ凪。船が着岸して、作業している人が見える。
ある意味ここは、水産都市八戸の“中心地”だね。6年前の3月11日、舘鼻岸壁にも津波が押し寄せました。「津波が来るって、全然知らなくってねぇ。停電でテレビもつかないでしょ、ラジオもないし。片付けしてたら、長男が心配して見に来て『なにやってるの、津波来るよ』と。それであわてて店のシャッターを閉めて避難して…」平屋建ての「和こ」は天井近くまで浸水し、「命拾いした」と加賀さんは振り返ります。
大きな被害を受けましたが、再開を熱望する利用客の声に押され、地元の建設会社が厚意でいち早くリフォームを手掛けてくれたこともあって、2カ月経たない5月4日に、店を開けたといいます。

「いが(南部弁で『あなた』)も良く わも良く みんなが良くなるように 

平成二十三年四月 加賀光子」

店内にある、震災1カ月後に加賀さんがしたためた色紙。覚悟と祈りが見えました。あの日の前もその後も、変わらず八戸港を見つめ、そこにある「和こ」。加賀さん自慢の魚と真心こもったご飯を求めるお客さんで、きょうもにぎわっていることでしょう。(八戸支社・歴)


【h】Wako_gaikan【住所】八戸市新湊町3-8-8
【電話番号】0178-35-0785
【営業時間】6:30~15:00
【定休日】 日曜日・祝日

食事処 和こ

住所:八戸市新湊町3-8-8

電話:0178-35-0785

(東奥日報社)