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豊漁、安全 巨岩に祈り

2017.05.10

巨岩「立石大明神」の前で、坪田さん(写真左奥)の説明を聞く参拝者ら=風間浦村の桑畑地区

巨岩「立石大明神」の前で、坪田さん(写真左奥)の説明を聞く参拝者ら=風間浦村の桑畑地区

 青森県風間浦村の桑畑地区の山中にそびえ立つ巨岩は「立石大明神」と呼ばれ、海の守護神として古くから信仰を集めてきた。毎年5月8日に参拝する習わしで、今年はゴールデンウイーク明けの月曜日だったが、地区住民や観光関係者ら約30人が参加し、大漁や家内安全を祈った。
 「立石大明神」は高さ約25メートル、幅約8メートル。桑畑漁港沿いの国道279号から南に約2キロ進んだ山中にある。村史などによると、前沖に漁に出た漁師が、霧で方角が分からなくなったときに立石大明神に「救いたまえ」と何度も祈っていると、ぼんやりと光が見え、無事に帰って来られた-との言い伝えが残っている。
 8日、一行は桑畑漁港を出発。シラネアオイやヒトリシズカなどの花をめでながら山道を進んだ。25分ほどで右手側に巨岩が姿を現すと「おぉ~」「あったー」と歓声を上げた。その後、10分ほど歩くと巨岩の麓に到着。「奉納 立石大明神」と書いたのぼりを立て、静かに手を合わせた。
 一行に伝説を説明した漁師の坪田久雄さん(67)は「漁師の守り神なので一年でも来ないと重い気持ちになる気がして…。若い人にも関心を持ってもらい、習わしを守っていけたら」と語った。
 桑畑自治会の役員を務める嘉賀敏行さん(68)は「毎年、参拝前に地区の人で山道を歩きやすいよう整備している。今年はたくさん参拝に来てもらいよかった」と話した。
 この日は、むつ市ジオパーク推進課の4人も視察を兼ね参加した。4月に着任したジオパーク推進員の小池拓矢さんは「山の上にこんな大きな岩があることに驚いた。ただの岩ではなく、信仰がありストーリーがあることに価値がある」と感心していた。

(東奥日報社)