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北八甲田の全登山道が復活へ

2017.06.04

荒れた登山道で続くボランティアの刈り払い作業=2016年6月、高田大岳

荒れた登山道で続くボランティアの刈り払い作業=2016年6月、高田大岳

 北八甲田で手入れが遅れていた登山道の刈り払いを地元の山岳団体などがボランティアで始めて5年目。今夏、廃道状態だった田代平側から赤倉岳山頂に向かう登山道の刈り払いが終わると、北八甲田に元々あった登山道がすべて復活する見通しであることが3日、分かった。登山者は酸ケ湯温泉や八甲田ロープウェーから大岳を目指すなど主要ルートに集中する傾向があるが、分散化が図られ、変化に富んだコースを選択できるようになる。
 北八甲田では青森県管理の主要ルートを除いて荒れた登山道が目立つようになり、2011年6月、県山岳連盟、日本山岳会青森支部、県勤労者山岳連盟の3団体が県に整備を要請。13年から山岳団体などが協力し、刈り払いが始まった。
 県などによると、今年は9団体がボランティアに参加。北八甲田のすべての登山道を網羅する形で刈り払いを行い、コースはさらに充実する。
 このうち県道・青森田代十和田線(田代平側)のみちのく深沢温泉近くから赤倉岳を目指す登山道は、八甲田で最も標高差があるコースとして知られてきたが、荒廃したままだった。「廃道」としている登山地図もあり、県勤労者山岳連盟が早ければ今月中旬にも刈り払いを行い、最後まで手つかずだった登山道を復活させる。
 谷地温泉から高田大岳山頂へ向かう登山道や、田代平から高田大岳と小岳の鞍部(あんぶ)を目指す登山道も藪(やぶ)化が著しい状態だった。しかし昨年、高田大岳の登山道は十和田山岳振興協議会がボランティアで刈り払いを実施、かつての登山道がよみがえった。田代平から高田大岳と小岳の鞍部を目指す登山道も青森市が刈り払いを行った。
 赤倉岳や高田大岳の登山道は「管理者不在」となっていたことから、毛無岱から城ケ倉温泉に向かう登山道と合わせ昨年、県が管理者となり、国からの無償貸与の形を取った。
 田代平から高田大岳と小岳の鞍部を目指す登山道は青森市が管理者となり、同様に無償貸与を受けている。
 今年の作業が終わると、北八甲田の登山道はすべて復活。登山者は田代平側から入山して酸ケ湯や城ケ倉、谷地温泉側に下山するなど、変化に富んだコースを選ぶことができる。
 県勤労者山岳連盟の花田裕二会長は「登山道の荒廃は遭難につながる恐れがあったが、復活すると多くの登山者が気軽に山に入ることができるようになる。管理はこれまで行政に頼るだけだったが、登山道の維持に山岳団体の協力が有効と分かった」と強調。「手つかずの南八甲田はもちろん、荒廃が目につく県内の山で、こうした手法を進めていくべきではないか」と語った。

(東奥日報社)