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肉筆画 躍動する線、色彩/青森・志功記念館で「倭画」展

2017.07.05

色鮮やかな志功の倭画が並ぶ展示室

色鮮やかな志功の倭画が並ぶ展示室

 青森市の棟方志功記念館で、夏の展示「自由な色彩・闊達(かったつ)な描写-倭画(やまとが)」が開かれている。志功が「倭画」と呼んだ肉筆画を中心に33作品114点を展示。生き生きと躍動する線と鮮やかな色彩が来場者を楽しませている。
 板画は下絵、彫り、刷りの行程を経ることで間接的な力が働くのに対し、倭画は「直接筆をおろせば、それが結果となり、終始となる」と語っていた志功。筆に墨が付いたら一気に描いたといい、作品から勢いある筆の動きが見て取れる。
 「神説御蓬莱之図(しんせつおんほうらいのず)」は、伝説の島「蓬莱山」と、鶴や亀、松竹梅、竜などめでたさの象徴を画面いっぱいに描いた作品。岩絵の具の原色を使った鮮やかな色彩が目を引く。志功の色彩感覚の根底には、ねぶたや凧絵の影響があったという。
 一方、竹や朝顔などの植物を表現した「丸紋百花譜」は、墨や絵の具をたっぷり含ませた筆を振って滴を落とす「躅飛飛沫隈暈描法(ちょくひひまつわいうんびょうほう)」で描いている。志功が富山県に疎開した時、山一面にツツジの花が咲く風景にインスピレーションを受けて考案した技法で、花々を描いた周りに青や緑などの滴を落とし、自然なぼかしを生みだしている。
 青森ねぶた祭を描いた全長17メートルの絵巻「禰舞多運行連々絵巻(ねぶたうんこうれんれんえまき)」(作品保護のため8月1~20日の期間以外はレプリカ展示)、墨一色で竜を表現した「御龍図」の両作品は、亡くなる前年に描いたとは思えない、力強さにあふれた大作だ。
 同館の宮野春香学芸員は「倭画は公募展に出品する作品ではないこともあり、のびのびと楽しんで描いていたのだと思う。自由に動く筆の流れを見てほしい」と話している。
 展示は9月24日まで(無休)。観覧料は一般500円、大学生300円、高校生200円、小中学生無料。問い合わせは同館(電話017-777-4567)へ。

(東奥日報社)