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長く親しまれた「白樺の駅」解体へ 市民プロジェクト、名残をどう残す?

2017.08.18

解体されるのを前に、白樺づくりの名残のある部分を確認する関係者=17日

解体されるのを前に、白樺づくりの名残のある部分を確認する関係者=17日

 昭和9(1934)年に白樺(しらかば)の丸太を使って改築された青森県三沢市の旧古間木(ふるまぎ)駅。長く「白樺の駅」として親しまれたその建物を今に受け継ぐ青い森鉄道の三沢駅の一角が、21日から解体される。同市の駅前広場整備事業に伴う措置だが、市民団体の「青森プラスデザインプロジェクト」が、解体後の廃材を無償で譲り受けることになった。同団体は「白樺づくり」の記憶を後世に伝えようと、廃材を駅や駅周辺に活用したい考えだ。
 三沢駅は東北線開業後の明治27(1894)年、日本鉄道(後に国鉄、JR)の古間木駅として開業した。上十三地域で産出される農畜産物や人が行き交う物流拠点としてにぎわった。
 駅舎が白樺づくりに改築されたのは1934年4月。その後数度の改築に伴い、白樺が他の材料に置き換わったが、柱の外見が白樺風に作られるなど当時の人々も白樺づくりを残そうとしてきた。
 県の県史編さんグループ主幹・中園裕さんは「材料は変わっても当時の駅舎の趣が残されている」と歴史的価値を強調する。
 一帯の県有地は新たな交通ターミナルとなる計画で、5月中旬に県が一帯の建物の解体工事を始めた。隣接する「青い森たびショップ三沢」があった建物は既に姿を消した。

1961年に撮影された旧国鉄時代の古間木駅

1961年に撮影された旧国鉄時代の古間木駅


 21日からは白樺の駅の名残がある三沢駅ホームの壁や梁(はり)、柱、上屋の取り壊しに入る。
 こうした中、県や青い森鉄道などの関係者が17日、現地を視察。廃材を青森プラスデザインプロジェクトに譲渡することを確認した。
 廃材運搬などで協力する鈴木建設工業(三沢市)の花田仁社長(62)は「駅一帯が新しくなるのは楽しみだが、小さいころから親しんできた『白樺の駅』の駅舎がなくなるのは寂しい。少しでもお手伝いできれば」と語る。
 青森プラスデザインプロジェクトは、地域の良さを生かしたまちづくり活動に取り組んでいる団体。今後、市と協議しながら廃材の活用・展示を検討する。
 同団体代表の小笠原彩子さん(39)は「県や市の好意で廃材が頂けることになり、うれしい。情緒ある構造物をまちづくりに生かす契機にもなるのでは。多様な分野の人が参画できる形で取り組みを進めたい」と意気込みを語った。

(東奥日報社)