エリア ニュース 絶景写真コンテスト 西北

【心に残る1枚を 絶景写真教室(下)】写真家・黒川千穂さんに聞く/心和めば撮らせてくれる

2017.12.06

晩秋の津軽で出会った農家の女性たち=2015年11月、鯵ケ沢町(黒川さん撮影)

晩秋の津軽で出会った農家の女性たち=2015年11月、鯵ケ沢町(黒川さん撮影)

 家族や友だち以外の人物写真の撮影というのは、慣れないと二の足を踏みがちだ。相手を怒らせてしまったら、どうしようかと不安にもなる。
 津軽の風景と人物を撮り続けてきた黒川千穂さん(青森市)が勧めるのは、積極的な声掛け。「照れて遠慮する人たちも、会話するうちに心が和めば撮らせてくれるものですよ」と話す。
 写真は鯵ケ沢町「光信公の館」に通じる田舎道で2015年11月に出会った女性2人。秋じまいの畑仕事に追われる合間、一休みしているところだという。
 周囲の山々は既に紅葉の盛りを過ぎて、晩秋の低い太陽が畦畔(けいはん)の陰影を濃くしている。
 「顔は写さないで、恥ずかしい-と言われましたけど『とっても良い風景なのに人がいないと寂しいじゃない』ってお願いしたんです。後で写真を届けたらとても喜んでくれて、大根持ってくか、リンゴあるかと聞かれて。鯵ケ沢に親戚ができたようで、うれしかったですね」
 人物写真で黒川さんがこだわるのは、撮影する相手にポーズの指示や演出をしないことだ。
 人物に寄ったり、離れたり、周囲をぐるっと回ったりしながら、相手の人となりや地域の雰囲気、季節感が伝わるような背景・構図を探す。もちろん、作業や仕事の邪魔をしないように気を配る。
 「大きな荷物を重そうに背負って歩いていたおばあさんに『写真撮るから、もう1回歩いて』と頼んだら、しゃんと背筋を伸ばしてズンズン歩き出したという話もあります。自分が相手から感じた魅力が何だったのか、その部分を見極めて切り取る分析力も大事ですね」

(東奥日報社)