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黒石「宵酔酒まつり」 盛況だけど参加店は減少

2018.02.22

まつり開会式で乾杯する参加者。前売りチケットは即日で完売する人気イベントだが、近年は参加店舗数が低迷している

まつり開会式で乾杯する参加者。前売りチケットは即日で完売する人気イベントだが、近年は参加店舗数が低迷している

 今年12回目を迎えた青森県黒石市のはしご酒イベント「黒石じょんから宵酔酒まつり」は17日夜、市中心街に800人を超す左党を集め盛況のうちに終わった。毎年、前売りチケットは発売当日に完売する人気イベントとはいえ、参加店舗はかつての半分以下。「不況だから」「少子高齢化の影響」との声も聞かれるなど世相を感じさせる一夜となった。
 「市内外から多くのお客さまにおいでいただき感謝します」。午後6時半、主催者のまつり実行委員会・石澤照代委員長(黒石観光協会長)のあいさつに送られた参加者は吹雪で時折視界が遮られる中、ネオン街に散った。
 参加者は3500円のチケットを購入し指定された4店を順に回り日本酒、ウイスキー、焼酎、ソフトドリンクなど好みの1杯を注文。制限時間の2時間15分以内にチェックカードに来店確認のスタンプをそろえて抽選会に臨む。家電製品など豪華景品が当たるとあって評判も上々。「夏のねぷた、黒石よされの夜のにぎわいに匹敵する」とも言われ、客足が絶えがちな冬場の夜の街活性化に一役買っている。
 記者が指定された1軒目はスナック。ビールを注文するとほどなく、つまみとして手作りハンバーグと、おにぎりがセットで出てきて頬張った。女性店主に「おいしいですね」と声を掛けると「前の晩から200人分用意して、もう大変。腰が痛い」と笑う。
 通称「よされ横丁」などが知られる黒石市中心部の歓楽街「甲徳兵衛町」。東奥日報紙などによると市制を施行した1954(昭和29)年ごろには数軒程度だったという飲食店も60年代半ば、高度成長期の波に乗って増えた。街灯の設置と市内トップを切るかたちで完成した簡易舗装道路が街の発展を後押しした。
 当時は晩秋から翌年春にかけ、失業保険を受け取った出稼ぎ帰りの労働者で店が繁盛したとも言われる。さらには70~80年代末の浅瀬石川ダムの工事関係者も街の景気を下支えした。
 だがその後は地域経済の低迷で衰退の一途という。2007年、飲食店街に活気を-と、まつりが企画され89店が名を連ねてスタートした。ただ、ここ数年は40店前後の参加にとどまる。「数少ない若い経営者は準備が大変といって見送る。年配のママは店を閉めていく。(夜の街にも)少子高齢化の影響を感じる」と先の女性店主はため息交じりに語った。
 対して今年不参加だった別店舗の女性店主は「(人手不足の中)客がどっと来るその日だけのためにスタッフを集めるのは大変。十分な接客ができないために悪いうわさが立っても困るので」と理解を求める。
 一方で参加店舗「レストラン御幸」店長で、街歩きツアーなどを通じ中心街のにぎわいを取り戻そうと活動するNPO法人「横町十文字まちそだて会」理事長の村上陽心(あききよ)さんはイベントを前向きにとらえる一人。「準備など負担が大きく店側の利益が出るわけではない」と断りつつ「お客さんは知らない店を知り、店側は来たことのない客を呼び込めるなど双方にメリットになる」と店や街PRに重要との見方を示す。
 ここ数年、不景気などもあって参加店舗が増えない現状に市観光協会の村上則夫事務局長は「よされ横丁など、飲食街のにぎわいを取り戻すには皆が力を合わせて盛り上げるのが大事。今後も店側には参加を呼び掛けていきたい」と話した。

(東奥日報社)