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青森・泉川小 児童数ぐんぐん増加

2018.05.02

児童数が県内で最多の泉川小。築44年の校舎は老朽化が進んでいる

児童数が県内で最多の泉川小。築44年の校舎は老朽化が進んでいる

 少子化の影響で青森県内小学校の規模が年々縮小する中、青森市西部にある泉川小(長内宏明校長)の児童数は住宅地の整備を背景に近年、右肩上がりの状況が続いている。2017年度に県内最多となり同校関係者は「行事が盛り上がる」「多くの出会いが刺激となって子どもの成長につながる」と歓迎する。ただ手狭で老朽化が著しい校舎に対して、保護者からは不満も出ている。
 入学式から間もない4月上旬の午後3時半すぎ、授業を終えた泉川小の児童が古びた校舎を次々と後にしていく。登校時、開錠を待つ児童が数十メートルの列をつくることもあるという。近所の女性(77)は「7、8年前から子どもが増え、昔と同じにぎやかになったと感じる」と話す。
 同校の児童数は05年度に500人を割ったが2年後の07年度を底に増加へと転じた。12年度の栄山小との統合も後押し。14年度には前年度より47人増え641人、2年後の16年度に701人に達し、前年度までトップの浜田小を抜き市内小学校45校中1位になった。17年度は746人で約30年前と同程度まで回復、県内一となる。18年度はさらに増え、特別支援学級を含めて28クラス・779人で800人目前だ。
 県教委の資料などによると県内の児童数は15万6734人だった1979(昭和54)年以降、減少を続け17年度には6万人を切り5万9233人まで落ち込んだ。前年割れが当たり前の中、泉川小の児童数はここ10年以上、市内で唯一、常に前年度を上回ってきた。

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 児童数の増加は03~13年度、約57億5千万円を投じた大野土地区画整理事業の影響が大きい。市によると整備前、16世帯51人だった事業地域の人口は17年度末には1250世帯、3424人に増加。今も街を歩くと建築中の家が目に付く。17年度の同校要覧によると、児童の半数は事業が行われた大野ニュータウン町会に住む。
 同校OBの木村正昭さん(38)は「私たちも学年4クラスだったが(1年の)娘は5クラスもあり、あれっ(多い)と思った。友人も増えるし、母校がにぎやかなのはうれしい」と話す。
 「人間関係に変化が生まれお互い刺激になる」と大規模校のメリットを強調する新任の長内校長は「人数が多いといっても、各クラス二十数人から三十数人で担任の目は十分届く。担任同士が常に相談を密にして『チーム泉川』の意識で指導に取り組んでいる」と語った。
 津川弘行教頭は「行事の盛り上がりは大人数ならでは。運動会では多様な種目ができるし合唱は声の迫力が違う」と胸を張る。さらに「運動会で『県内一の行進を目指そう』とか『県内一のあいさつを』など、先生方が子どもの心にうまく火を付け、取り組んでいる」とも話した。
 一方で1974年に完成し40年以上が過ぎた校舎は随所に塗装の色あせや剥離、さび、ひび割れが目立ち保護者に不評だ。娘が在籍する卒業生の30代女性は「校舎は古くて暗い。『県内一』なのでもう少し何とかならないものか」と苦笑した。別の30代女性の保護者は「多目的用のプレイルームを転用するなど教室が足りないのでは。学習発表会は保護者の入れ替えが必要など全校が集まる行事は大変。トイレの臭いも気になる」と手狭で古い校舎に少し不満げだ。
 長内校長は「(教室数は)ほぼいっぱい、いっぱい」と認めるが、市教委によると校舎建て替えの予定はない。
 同校の児童数は2年後をピークに減少に転じる見通しだ。泉川小の前校長で市教委の作間和博学務課長は「児童数が減れば、学級数も減り、集団での活動には制約が出てくる」と述べ、将来的な少子化を見越した上での学校運営が必要-との考えを示した。

(東奥日報社)