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ねぷた期間の民泊受け入れ、弘前市がホスト募集

2018.05.13

イベント民泊に協力した小山内さん。写真は、埼玉県からの2人が宿泊した部屋=弘前市岩木地区

イベント民泊に協力した小山内さん。写真は、埼玉県からの2人が宿泊した部屋=弘前市岩木地区

 青森県弘前市は昨年4月から、市内のホテルや旅館などの宿泊施設の不足が見込まれる祭り期間に、自宅などを素泊まりの宿泊場所として提供してくれる一般市民を募集する「イベント民泊」を実施している。今年100周年の弘前さくらまつりでは6軒が登録し、うち4軒に市外から訪れた計6人が延べ12泊した。市では16日まで、今夏の弘前ねぷたまつりで宿泊者を受け入れる市民(ホスト)を募集している。
 イベント民泊は自治体の要請を受けて、旅館業法の営業許可なく、自宅などを有料で提供する。市では警察や保健所、消防の助言も受けながら、観光庁のガイドラインに基づき実施。提供者は宿泊予約サイトに登録して宿泊者を募集する。宿泊場所確保のほか交流人口の拡大、滞在日数増加による観光消費拡大などの効果も期待されている。
 「イベント民泊は祭り期間だけだけど、本当なら咲き始めたリンゴの花が甘く香る時期にも宿泊してほしい」と語るのは、同市兼平林元の小山内美喜子さん(60)。今春は4月28日に、埼玉県から訪れた若い男女を1泊させた。
 2人が宿泊したのは自宅のリンゴ倉庫を改築した建物で、2人は建物の風情や部屋に飾られた四季折々の岩木山などの写真に感じ入るとともに、見たことがなかったまきストーブやまきに使うリンゴの木に驚くなど、津軽の情緒を満喫。翌日は、早朝からレンタカーで観光をする2人のため、家人がレンタカー乗り場まで車で送ったという。小山内さんは「田舎はどうしても交通費がかかるから…予算の中でいろんな体験をしてほしかった」と笑う。
 もともと農園「フラワーガーデン・ミミ」を経営し、グリーンツーリズムや農家カフェなどを通じて、外国人など観光客の受け入れに慣れていた。だがグリーンツーリズムの勉強のために沖縄県を訪れた際、漁師小屋に宿泊し、人がいない海岸の風景に感嘆。「こういう場所でゆったりと過ごす時間が命の洗濯になる。観光客にとっては、良い宿泊施設やおいしい食べ物だけでなく風景そのものが大事」と感じたという。
 帰宅後、岩木地区の自宅も秀峰・岩木山を望み、周囲をリンゴ畑で囲まれているなど、津軽情緒たっぷりであることを感じ、観光客受け入れに自信を深めた。

小山内さんの自宅に隣接するリンゴ倉庫を改築した建物。周囲をリンゴ農園に囲まれ、リンゴが咲き始めの時期は夜になると甘い香りに包まれるという

小山内さんの自宅に隣接するリンゴ倉庫を改築した建物。周囲をリンゴ農園に囲まれ、リンゴが咲き始めの時期は夜になると甘い香りに包まれるという

 「日本人の若い観光客の受け入れは、ある意味、外国人よりも気を使う。国内を知っている人に何をすれば喜んでもらえるか、どこをガイドすれば良いか…」と小山内さん。自身も弘前についてさらに知識を深め、城下町の風情が残る地域などを積極的に案内したい-と意気込んでいる。
 イベント民泊の課題について、市は(1)見知らぬ人を泊めることへの不安感などから受け入れホストが少ない(2)情報提供不足で宿泊者からの予約が十分に入らない-の2点を挙げ、受け入れホストの体験談などのセミナー開催や効果的な情報発信などを検討している。
 問い合わせは市観光政策課(電話0172-35-1128)へ。

(東奥日報社)