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菅江真澄も注目した津軽海峡の蜃気楼

2016.08.28

津軽海峡のこちら側からスクープですよ!!

  函館に住まう私にとって、日常身近に感じられる青森といえば、大森浜から海の向こうに望む下北半島や津軽半島です。

よく「大間が見える」と表現しますが、じつはあの山並みは、佐井村から大間町・風間浦村までのとても広い範囲。そして東通村の尻屋崎は離島のように見えます。

また天気がよければ釜臥山の山頂レーダーも見え、もっとよければ岩木山も望めます。

大間町を望む

函館・啄木小公園から大間町を望む。左上にむつ市・釜伏山。(2016.8.10)

さて、スクープのこと。

6月のある日、海岸通りを運転しながら大間を眺めてみたら、いつもと様子が違うことに気がつきました。大間町あたりが白い岩肌のように見えるのです。

津軽海峡の上位蜃気楼

非常に珍しい「上位蜃気楼」函館市石崎漁港から下北半島を望む(2016.6.7 18:00 )

 

商売道具の望遠レンズで覗いてみれば、発電風車がノビノビになってます。

それよりもびっくりしたのは、海峡を進むコンテナ船の姿が可笑しいほどの過積載!

上位蜃気楼のコンテナ船

「超」過積載のように見えるコンテナ船

 

この珍しい光景に、夢中でシャッターを切りました。

あとで友人にこのことを話すと、これは蜃気楼だ、とのこと。

そこで蜃気楼に詳しい小樽市総合博物館学芸員の大鐘卓哉さんにお尋ねしたところ、非常に珍しい「上位蜃気楼」なのだといいます。

空気の層が上側で暖かく下側が冷たい時に起きる、光の屈折現象だそう。

日常よく目にする蜃気楼らしき現象「浮島」「逃げ水」とは違い、このような「上位蜃気楼」は日本国内では富山湾や琵琶湖など限られた場所でしか見られない現象で、津軽海峡での観測記録はごくわずかだといいます。

詳しくはこちらをご覧ください。

■ 魚津埋没林博物館 もっと!いろいろ蜃気楼

http://www.city.uozu.toyama.jp/nekkolnd/mirageex/

 

江戸時代の紀行家・菅江真澄(1754-1829)が津軽海峡でこれを見たことを記しているといいます。

拙撮の「上位蜃気楼」は、8月18日青森市で開かれた「青森県高等学校教育研究会理科部会研究大会」において、木下正博さん(日本蜃気楼協議会会長)からご紹介いただきましたが、広く公開するのは、この「リアル青森」が初めてです。

さて、

それ以来、ことあるごとに注目しているのですが、なかなか出会えません。

「上位蜃気楼」は非常に珍しい現象で学術的な研究のうえでも、記録や報告を求めているとのこと。このような現象に出会えたら、ぜひ記録しておいてくださいね。

(田村 昌弘)