エリア 東青

車いすから八甲田一望

2016.11.07

2017年夏に完成する予定の木製デッキ完成予想図(八甲田ロープウェー提供)

2017年夏に完成する予定の木製デッキ完成予想図(八甲田ロープウェー提供)

 車いすの利用者に八甲田の雄大な自然をより楽しんでもらおう-と、青森市の八甲田ロープウェー株式会社は、八甲田山頂公園駅近くに八甲田・毛無岱を一望できる木製デッキを設置する。基礎工事はほぼ終え、来年夏に完成する見込みだ。障害のある人たちから「これまでと違った八甲田の魅力に触れられる」と歓迎の声が上がっている。
 場所は山頂公園駅の南側で、広さは約160平方メートル。公園の敷地からせり出すような形となっており、完成すれば標高千~1200メートルの毛無岱に広がる新緑や紅葉が楽しめる。通路は一部を除いてスロープとなっており、一般の人も立ち入り可能。
 8月に着工し、デッキを支えるくい打ちは10月中に終えた。来年の雪解けを待って工事を再開し、8月11日の「山の日」前の完成を目標としている。事業費は5400万円。
 デッキの完成を控え、車いすを利用する人たちからは喜びの声が。「夢のある話。ぜひ足を運びたい」と言うのは、障害者スポーツ選手として長野パラリンピックに出場経験のある青森市の野澤英二さん(67)。「われわれは移動範囲がどうしても限られているだけに、これまでとひと味違った景色を眺められるのは喜ばしい」と、完成予想図を手に声を弾ませた。
 八戸市の団体職員高橋幸治さん(42)は「同じ境遇の人の中には『山頂(公園駅)に行くのは到底無理』と思う人も。これを機にPRを進めれば、地元以外からいろんな人を呼び込めるはず」と語った。
 同社によると、東日本大震災が起きた2011年、利用客は前年比4万6千人減の約24万9千人と落ち込んだ。しかしその後は回復傾向にあり、昨年は約32万8千人を記録。アジア系外国人観光客の人気は根強く、福祉施設入所者の来訪も増えている。
 既に麓(ふもと)の山麓駅と山頂公園駅内には車いす利用者のための専用エレベーターやトイレを設置している。蝦名正晴常務(62)は「障害のある人にとってより優しい環境になる。これからもさまざまな人に愛される八甲田にしたい」と語った。
(東奥日報社)

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