エリア 上北

十和田湖ひめます新商品が続々

2016.10.23

事務所に隣接する作業場でトバを切る伝法さん

事務所に隣接する作業場でトバを切る伝法さん

伝法川魚店が販売している十和田湖ひめますの加工品など

伝法川魚店が販売している十和田湖ひめますの加工品など

 地域団体商標に登録された「十和田湖ひめます」の加工品などを手掛ける、十和田市の伝法川魚店。現在、トバやレトルトカレー、せんべいなど20種類ほどの商品を展開、土産物としても重宝されている。名産品のブランド力を上げ、地域の魅力を広めたい-と商品開発に知恵を絞る。
 代表の伝法良輔さん(52)が、2009年12月に同社を設立した。十和田湖のある旧十和田湖町と十和田市が合併し、十和田市になったが、十和田湖の冠がついた土産品がほとんどないと思い、商品化のため湖畔のヒメマス関係者に協力を要請したが、取り合ってもらえず、自分で会社をつくることを決意した。
 十和田湖畔の観光客の減少により、飲食店や宿泊施設などで提供量が減り、ヒメマスが余っていることを聞いた伝法さん。「それであれば、加工品にして売ればいい」と提案したものの、関係者の腰は重く、「そう言うならお前がやればいい」と言われた。やる以上はきちんとした商品を作らなければと思い、21あおもり産業総合支援センターに相談、アドバイスをもらいながら、商品化を進めた。
 自分の好物のヒメマスの素揚げをニンニクとしょうゆであえたものを加工品にしたいと考え、同センターの相談会に持ち込んだが却下された。伝法さんは「料理がそのまま加工品になると考えていた。指摘にショックを受けた」と当時を振り返る。「まさか自分で加工品の会社をやるとは思っていなかったし、ここまで大変なことだとも思わなかった。加工品を甘く見ていた」と話す。
 第1弾のトバが完成するも、「これはヒメマスじゃない」「固い」と不評。乾燥が不十分で、カビが生えるなどの失敗も経験した。半身のままでは固すぎるため、カットして商品にすることにしたが、食べやすい大きさを決めるまでに2、3カ月試行錯誤した。
 そんな中ようやく、10年2月に、ヒメマスの皮付きの身を乾燥させた「トバ」、甘酸っぱいご飯と合わせた「押し寿司」、低い温度で長時間いぶし、生に近い食感が味わえる「冷燻」の3品を商品化。イヌやネコのペット用の「トバ」も開発した。以降も「十和田湖ひめますスープカレー」、「十和田湖ひめます具だくさん汁」、南部せんべいにヒメマスの中骨パウダーを練り込んだ「ひめますバターせんべい」など、続々と新商品を世に送り出している。
 ありとあらゆる県内の土産物店などに商品を置いてもらえるよう営業活動をかけた。現在、十和田市のほか七戸町や三沢市、青森市など15店舗ほどの店頭に商品が並ぶ。ペット用の「トバ」などは東京と大阪でも販売している。
 「常に頭の中にあるのは十和田湖のこと」と話すように、十和田湖の環境を守っていくため、売り上げの一部を地元のNPO法人に寄付している。
 伝法さんの本業は、測量設計会社の社長。市内の高校を卒業後、測量の専門学校へ進み十和田市内の会社に就職。10年ほど勤めた後、1996年に独立した。
 二足のわらじで活動する伝法さん。本業があるため、なかなか市外のイベントには出られないが、「ただ売っているだけだと面白くない」(伝法さん)と、ヒメマスをモチーフにした帽子「ひめますくん」をかぶり、PR活動に励む。
 「測量会社と川魚店の仕事の割合は9対1。あくまで本業優先」とするが、「いずれは、川魚店の割合が増えてくると思う」と見込んでいる。
 「十和田湖の活性化が図られれば、一区切り」と伝法さん。次なる商品として十和田市で採れた野菜の加工品を考えている。「形が悪いなどで出荷できないものがたくさんある。乾燥野菜のおいしさはわかっているし、何とかなると思う」と先を見据えた。(東奥日報社)

(東奥日報社)