西北

「うたごえ喫茶」 全国から集合!/深浦

2016.10.31

歌声を響かせる「深浦のうたごえ」の参加者。佐藤さん夫妻(左の2人)も加わった

歌声を響かせる「深浦のうたごえ」の参加者。佐藤さん夫妻(左の2人)も加わった

 1950~60年代にブームになった「うたごえ喫茶」。楽譜を手にみんなで声を合わせる楽しさをもう一度味わおうと、深浦町で毎年10月、「深浦のうたごえ」が開かれている。主催は同町の「サークルおけら」代表の佐藤英文さん(71)と妻の英子さん(69)。2003年の第1回以降、2人の熱い思いが口コミで広がり、全国各地から多くの人が集まるイベントとなった。
 9日、深浦町内のホテル。14回目となる今年は、県内外から60~70代を中心に約200人が集まった。参加者は「まっかな秋」「高原列車は行く」「高校三年生」など、好きな歌を次々とリクエスト。生演奏に合わせて手をたたいたり踊ったりしながら思い出の歌を熱唱した。イベントは午後5時から3時間余りでいったん終了。その後、休憩を挟んで交流会、さらにホテル内のカラオケルームに移動して-と、うたごえの輪は日付が変わるまで続いた。
 10年連続の参加という仙台市の青木光栄さん(70)は「年間行事の一つになっている。家庭的な雰囲気がいい」。深浦町の今村栄子さん(60)は「団塊の世代のパワーはすごい。毎回、元気をもらっている」と笑顔を見せた。
 「時間を決めないと朝まで続いてしまう。自分もみんなも、よく飽きずに歌うよね」と佐藤さんは笑う。英子さんは「うたごえの集まりは全国にあるけど、深浦のように泊まりがけは珍しい。みんなそれが楽しみでやって来る」と話す。
 佐藤さん夫妻も、かつてうたごえ喫茶で青春時代を過ごした。ブームが去っても、佐藤さんは全国に残るうたごえ喫茶に通い、地元で再びうたごえを響かせたいとの思いを募らせた。
 全国の仲間の後押しを受けて開いた第1回には60人以上が参加。佐藤さんは「1回だけのつもりだった。でも『すごく楽しかった』という笑顔にほだされて続けることになってしまって」と振り返る。
 2人は毎回、1年がかりで準備する。英子さんは「大変だけど、達成感、満足感、そして歌う喜びがあるから続けられる」と言い切る。開催を後押しした一人で、毎回司会も担当する金谷守晶さん(東京)は「自分たちでつくり自分たちで楽しむ。深浦は全国のうたごえのメモリアル的存在になっている」と評価する。
 仲間同士、深浦で会えるのを楽しみにしている人がいる。90歳近くながら遠方から一人で参加した人もいたという。佐藤さんは「うたごえ冥利(みょうり)につきる。高齢で来られなくなる人が年々増えているが、できる限り続けたい」と力を込めた。
(東奥日報社)

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